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何が幸いするかわからない
前回の続きです。

ある日突然、ふってわいたような農地の買収話。
最初聞いた時は、私も父同様に不思議さと胡散臭さを感じました。

どうして、あんなド田舎の農地を欲しがるのか?
他の場所ではなく、なぜ、実家の農地を選んだのか?

でも、話を詳しく聞いていくと、なるほどなあ。と思う事がたくさん出てきます。
この手の施設は、そこそこの大きい敷地面積を要する。
人口密度の多い場所を選択すると、交渉する人間の数も多くなり、経費もかさむ。

辺鄙な場所というのは、先方にとっても都合が良かった。
場所の目星をつけたら、あとは買収に応じてくれる地権者を探す。

但し。ここからは、かなり慎重にことを進めなければいけない。

父 「向こうは、ウチの内情を色々調べてから来たようだった」

先方はこちらの懐事情も、所有してる農地の広さも把握していたようです。
おそらくは、入念な下調べと調査の末、交渉へやってきた。
買い取る側からすれば、面倒な事を言わない地権者がいいに決まってる。

田舎の人間はお人好し。などと思ったら大間違いで、がめつい人間は多い。
この手の話を持ちかけられ、ここぞとばかりにふっかける輩もいる。
先方もその辺は重々承知している。なので地権者選びには、特に慎重になる。

ここで、自宅と本家の2か所に農地を持つ。という実家の特殊な事情が幸いした。
本家の農地は、元々ウチの土地ではない。
耕作する人間がいないので、仕方なくウチの親が管理してたに過ぎない。

本家の農地を売っても、自分達の農地は残る。元に戻るだけの話だった。
農地を売る事によって、収入が著しく減るとか、離農に追い込まれる事はない。

けど、普通の農家は違う。農地はお金を産む大切な資産。
農家にとって、農地を手放すのは、それが一部だとしても死活問題。
ましてや全部となると、それ相応の買収金・補償金を求めることになる。

父 「面白いんだよな。ちょうど、借金が無くなるような価格を持ちかけてきたんだ」

ここで先方の提示した金額が、高いのか安いのかはわからない。
こういった時の相場など、私達には知る由もなかった。

けど、先方の言い分としては。
借金を帳消しにできる分くらいは、お渡ししますよ。
どうですか。悪い条件ではないですよね。という事だった。

確かに悪い条件ではない。むしろいいくらいだと思う。
あんなド田舎の農地なんて、普通に売ったら二束三文にしかならない。
いや。そもそも、売れるかどうかだってあやしい。

父も同じように考えたらしく、この買収話に素直に応じました。
先方の言い値にケチをつけず、その後はトントン拍子に話が進んだ。

数年後。本家の農地は、電力会社が買い取ることとなります。
そしてウチの親が背負った借金は、この時点でキレイに無くなった。

70才近くまで支払い続けるつもりだった借金が、50才で完済できた。
予定の半分の期間で、重荷から解放される。想像もしていなかった。

結果的には、足かせとなっていた本家の農地が救ってくれた。
こんな事ってあるんだな。真面目に頑張り続けると、いい事があるんだな。と、思った。
父や母は、今でも笑ってこう言う。

「俺達は、電力会社に足を向けて寝られないんだ。本当に助かった」と。

今、本家の元農地には、立派な変電所が建っている。

続きます。
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実家のこと | 09:31:56

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