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残されて想う
前回の続きです。

穏やかな日常が、余命宣告でガラリと一転する。
残された時間は、余りにも少なすぎた。

彼は身を粉にして、仕事一筋に打ち込んできた。気が付いたら40才。
それでも。ちょっと遅くなったけど、よき伴侶を見つける事が出来た。
ほどなくして、お子さんにも恵まれた。

これまでの貢献も認められ、取締役に抜擢された。
本当にこれからだった。これから仕事以外の人生を楽しめる。
そう思っていた矢先、病に倒れてしまった。

残されたお子さんはまだ1才の男の子。
お酒が大好きだったSさんは、こんな事を言っていた。

「楽しみだな。大きくなったら、一緒に酒飲みてえな」

私は余命宣告をされた事がない。
だから、Sさんの気持ちはわからない。
でも、見届けたい事はいっぱいあっただろうな。と想像してしまう。

ダンナは葬儀の最初から最後まで、ずっと泣き通しだと言っていた。
残された奥さん。小さなお子さん。子供に先立たれた親御さん。
棺の中の、亡骸となってしまったSさんの顔。

全てが哀しい。涙が止まらない。
真っ赤な目をして帰ってきた。
帰ってきてから、しばらく黙り考えこんでいました。

布団に入ってからも、小さくすすり泣いていた。
この日は、ほとんど寝る事ができなかった。

余命宣告された時点で、覚悟はできていた。
けど、いざ亡くなってしまうと、やはり衝撃は大きい。
二度と逢う事ができないこの喪失感。

ダンナも私もお互い、口には出さない。
でも、きっと2人とも同じことを考えていたと思う。

もし。もしも自分だったら。もし、自分の家族だったら。
その時、自分はどう振舞うことができるだろう。

考えたくはない。でもどんな人にも最後の瞬間は来る。
この生活は、未来永劫続くものではない。
そんな事を思っていたら、ダンナが呟いた。

「人間って、はかないんだな」

そうだね。はかないね。あっという間だね。
人の一生は、自分が思うよりずっとずっと短い。
そして尊い。

この季節。
桜が咲く時期になると、切ない気持ちになる。
若い頃は、桜を見てもなんとも思わなかった。
でも、ここ数年は桜と人の生き様を重ねるようになった。

自分にできるだろうか。この桜のように。
ちからいっぱい咲き誇り、惜しむことなく散っていく。
そんなふうに、人生を閉じることができるだろうか。

そして。
私の大切な人達が
「今日も無事に一日が終わった。明日も頑張ろう」
と思う事ができる。

そんな日常を支えることができているだろうか。と。
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日常のこと | 07:55:08 | トラックバック(0) | コメント(0)
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